大つり橋・星のブランコで有名なほしだ園地に行ってきました。
大阪府内でありながら、木々が茂り川が流れる中トレッキングができる山岳公園となっています。
難易度の異なるコースがいくつもありますので、難しい方を進めば登山好きの方も楽しめます。
イージーコースを選べばお子さんや高齢者でも簡単にハイキングができますよ。
ペットを連れての入園が許可されているので、大自然の中に愛犬を連れて行きたい方には嬉しいですね。
交野市は、地名や川、神社の名前でさえも、七夕や星を思わせるものが多い、ファンタジーを感じる場所です。
その起こりは古く、平安時代は交野が原と呼ばれ、皇族や貴族の遊猟地として栄えた場所なのだそうです。
園のそばを流れる川の名前は天野川といい、伊勢物語には、この地を訪れた在原業平(ありわらのなりひら)が詠んだ歌が残っています。
訳:一日中狩りをしていたら日が暮れてしまいました。今日は織姫の家に泊まらせてもらいましょう、天の川に私は来たのです
それに対する紀有常(きのありつね)の返歌が素敵です。
訳:織姫は1年に1度やって来る大切な人を待つ身だから、宿は貸してくれないでしょう
織姫と彦星の逢瀬の地と思うと、つり橋の愛称「星のブランコ」が何ともロマンチックに思えます。
しかし実際にほしだ園地を訪れる方には、ちょっと現実的な注意点をいくつかお伝えしなければなりません。
- スニーカーなど履きなれた歩きやすい靴を選びましょう。
本格的な登山靴を履いていく必要はありませんが、おしゃれ靴やサンダルなどで行くとほぼ確実に足を痛めます。 - 大自然に囲まれた場所で、夏は暑く冬はかなり冷えます。
服装は時期に適したものを着用し、虫よけ・タオルや飲み物など、アウトドアに適した持ち物を持って行きましょう。 - 園内にはドリンクとアイスの自動販売機しかないので、食べ物が必要であれば持参してください。
- 街灯が少なく、冬季は日が暮れるのも早いので17時にはかなり暗くなってしまいます。
帰りが遅くなりそうな時は懐中電灯など周囲を照らせるものを持って行きましょう。
アクセスと利用時間
国定公園、府民の森「ほしだ園地」。
所在地 | 大阪府交野市大字星田 |
電話 | 072-891-0110 |
つり橋・星のブランコ | 9:00~16:30 |
クライミングウォール | 9:15~16:30 |
休憩案内所・ピトンの小屋 | 9:00~17:00 |
休園日 | 「火曜日(祝日の場合は翌日)、但し4・5・10・11月は無休」「12月29日~1月4日」 |
奈良県生駒市との境にあり、連なる生駒山地が目前に広がる立地です。
車利用が行きやすくて楽ですが、無条件ではお勧めできません。
園を管理されている方にお話を伺ったところ、春と秋の行楽シーズンの土日・祝日は、駐車場に入れない車で国道が大渋滞してしまうため、道路上での駐車場待ちが警察の指導により禁止されているのだそうです。
ゆきみちがブログでご紹介するにあたっても、混雑するシーズンはできるかぎり公共交通機関を利用するように呼び掛けてほしいとのことでしたので、駐車場については最低限の情報発信にとどめることにしました。
マイカーでおでかけの際は、駐車場に設置されたライブカメラで渋滞情報を見ることをおすすめします。
傍を走る国道は路側帯が少なく、停車も転回もしづらいです。もし渋滞しているのが見えたら、並んで待つのはやめましょう。
ライブカメラ映像はこちらで確認できます。
普通自動車 200円/時間
大型バス 600円/時間(要予約)
※大型車は、4・5・10・11月の土日祝日は駐車できません。
- 身体障害者手帳、精神障害者保健手帳、療育手帳を所持されている方
- 特定医療費(指定難病)受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証、被ばく者健康手帳を所持されている方
fa-arrow-right駐車場と、人気施設・クライミングウォールの料金が免除となります - クライミングウォール日券/年券を利用する方
fa-arrow-right駐車料金が1日400円に割引されます
ほしだ園地までのアクセス
最寄り駅は京阪交野線、私市(きさいち)駅。
2番目に近い駅としてはJR学研都市線の河内磐船駅があります。
私市駅から歩くと、最初は平坦な道ですが、その後は高低差があるハイキングコースとなり、たどり着く前から既に遠足気分を味わえます(40分くらいかかります)。
もっと簡単に行けるルートはないの!?という声が聞こえてきそうですが、残念ながら、ございません。
バスで行くとどうなる?
一番楽なのが、交野市駅・私市駅から京阪18系統のバスに乗り最寄りのバス停「星のブランコ」で降りるという選択肢なのですが、このバスは土休日しか出ておらず、しかも1日2便です。
京阪交野市駅10:30発(京阪私市10:39発)
星のブランコ10:43着
京阪交野市駅16:00発(京阪私市16:09発)
星のブランコ16:13着
実質、利用できるのは10:43着の1便のみですね。
交野市駅は駅前にバスロータリーがありますが、京阪私市は私市駅前ではなく国道168線沿いの停留所に停まります。
私市駅からは350メートルほどで、国道に出て最初の信号を右に曲がったところに停留所があります。
交野市・私市方面へお帰りのバスも、11:36と17:06の2本だけです。
もうひとつの選択肢として、少しバス停が遠くなりますが、交野市駅・河内磐船駅から交野南部線16系統に乗り、南星台で降りることもできます。
こちらのバスは1時間に約1本の頻度で出ていますが、乗車時間15分以上+そこから徒歩で30分で、結局はある程度の距離を歩くことになります。
なので、どうしても駅から園まで歩きたくないという場合は、タクシーを使うしか方法はありません。
徒歩でのルート
私たちも実際に私市駅からほしだ園地まで歩いてみましたが、途中にある信号のところさえ見落とさなければ、頻繁に案内看板も立っていますし迷うことはないと思います。
※国道は途中で歩道のない場所があり危険です。身の安全のためにも看板の出ているルートからは外れないようにしましょう。
別記事で私たちが歩いた道のりを写真付きでかなり詳しくご紹介していますので、徒歩で行かれる際は参考にしてください。
個人のペースにもよりますが、普通に歩いて35~40分程度で着くと思います。
ほしだ園地を徹底リポート!
森林鉄道風歩道橋
車で行っても、駅から歩いて行っても、園内に入るためには必ず駐車場を通ることになります。
駐車場の先には歩道が続いています。
写真では奥が駐車場の入り口側なので、手前方向に進みます。
ここからは、歩きやすい木道がしばらく続きます。
森林鉄道風歩道橋という名前がついていました。
ようわからんけど…
※Wikipediaより
ピトンの小屋
ハーケンはドイツ語で、ピトンはフランス語。
ほしだ園地はとにかく広大な自然公園になりますので、気を付けなければならないのが、お手洗い事情です。
トイレはピトンの小屋とやまびこ広場の2か所しかありません。
また、有人の小屋はこの場所だけなので、クライミング施設の利用や、ベビーカーなどを預ける場合はこちらで受付の方に声をかけてください。
ピトンの小屋の正面左隣に建っているのがトイレです。
水洗ではなく、大量の泡が出てきて流れるところがいかにも山小屋っぽい感じ。
こちらはピトンの小屋の向かい側にある、高さ16.5メートルの本格的なクライミングウォールです。
今まで室内のボルダリングしか見たことがなかったので、そびえる壁を見上げていると実際より高く感じられました。
この場所は、平成9年に開催された「なみはや国体」で公式競技場として使用されたものです。
施設利用講習会を受講し、受講済証の交付を受けた20歳以上のメンバーを含む2人以上6人以下のグループ(小学4年生以上)が利用でき、ピトンの小屋で2か月前から電話予約を受け付けています。
- 利用料金:大人700円・高校生以下300円
- TEL:072-891-0110 (9:30~16:30)
講習会を受けるには、WEBで予約が必要です。公式サイト予約ページfa-external-link
壁の周りには柵で囲いがしてあって、中には所定の訓練を受けた参加者しか入れませんが、囲いの外にある低い壁のところでは、未経験者でも自由に遊ぶことができますよ。
ピトンの小屋の中にはお試しで遊べるポイントが。
みち(夫)は、しがみつくのがやっとでした。
つり橋・星のブランコまで歩こう
小屋から少し歩いて行くと分岐があります。
ぼうけんの路は木の階段が連続する山道で、つり橋までは12分。
管理道を行くと25分ほどかかりますが、勾配が緩く歩きやすいので、足腰の弱いお年寄りや山道が初めての小さいお子さんなどは、無理せずこちらを選ぶと良いと思います。
私たちが選んだのはぼうけんの路。
ところどころで急な個所もありましたが、足元はそれほど悪くはなかったです。
休憩している人たちの先に、いよいよつり橋が見えてきました。
圧巻・星のブランコ
星のブランコは全長が280メートル、最大地上高50メートル。
歩道が木床の人道つり橋としては、神奈川県にある水の郷大つり橋に次ぐ全国2位の長さです。
ちょうど紅葉している時期なので、期待に胸が高鳴ります。
長いつり橋なので時々揺れましたが、思ったよりも安定していて怖さは感じませんでした。
ただ、高いところが苦手な方だと少し怖いかもしれません。
全体的に錆びた色をしているのは、対候性鋼といって、錆で腐食を防ぐタイプの鋼材を使っているからなのだそうです。
手すりなどは塗装されているので、触っても色が移ったりはしません。
橋から見渡す美しい景色に、しばしの間、見とれてしまいました。
おねすじの路へ
橋を渡った後は、引き返さずにそのまま進みました。
おねすじの路を少し進むと、また分岐が見えます。
右の道を降りると、つり橋の下をくぐってピトンの小屋の方へ抜けるルート。
左は「やまびこ広場」「展望デッキ」と、そそられる文言が並んでいます。
迷わず左へ。
道の脇にある柵のあちこちに案内板が打ち付けられていて、樹木や草花の解説があるのが植物好きとしては嬉しかったです。
JR星田駅まで60分、京阪河内森駅まで70分の表示がありました。
この看板からやまびこ広場まで150メートルです。
やまびこ広場にはトイレと、座って休憩できるスペース、屋根付きのベンチもありました。
お弁当はこちらで食べる人が多いようです。
ここを逃すとピトンの小屋まで戻るまでお手洗いがありませんので、特に行きたくないと思っても用を足しておいた方が良いと思います。
横にある、仮設トイレタイプのものは洋式でした。
絶景・展望デッキ
広場を後にし、100メートルほど進んだところに、つり橋と同じくらいの名スポットがありました。
ここにもベンチがあり、休憩することができます。
お弁当も食べられそうでしたが、写真を撮っている人が多かったりして、少し落ち着かないかもしれません。
左には万博公園の「太陽の塔」と、ひらパーこと「ひらかたパーク」の観覧車。
右側には京都タワーが見えます。
カメラを望遠にして、更に拡大してやっと見えるくらいでしたが、星のブランコを眼下にして広がる山々と盆地は絶景でした。
ほしだ園地におでかけの際は、体力と時間に余裕があれば、つり橋だけでなく是非こちらにも寄ってほしいところです。
つつじの小路→さえずりの路→管理車道を経て800メートル・約30分でピトンの小屋です。つつじの小路の途中から分岐するらくようの路は、園地の中で最も難易度の高い登山道です。小学生以下の同伴は危険ですので避けてください。
つつじの小路をゆく
つつじの小路という名の通り、12月でもコバノミツバツツジを見ることができました(本来の見頃は4月です)。
よく公園や道路脇に植えられているヒラドツツジとは違う、野趣あふれるたたずまいの濃いピンク色の花が、寒空の中で凛と咲いていました。
この高低差、結構ハードです。
でも、歩道が整備されているので歩きやすいです。
もし上ってくる人がいたら、かなり大変だろうなとは思います。
ヤッホーポイント
少し下ったところで、再び絶景が広がります。
ヤッホーポイントと書いてあるので素直にヤッホーしてみるゆき(妻)。
さえずりの路から帰路へ
再び看板が現れました。
さえずりの路を上がっていくと、またやまびこ広場に戻ってしまいます。
ここを降りていくと管理道に出ます。
先ほどよりも緩やかになりました。
らくようの路は危険と書いてありましたが、さえずりの路もなかなか手ごわい道のようです…。
園内に張り巡らされた道は繋がっているので、どこを経由してもやまびこ広場や星のブランコに辿り着けます。
ただ、ぼうけんの路以外の道は登り坂が相当つらいと思いますので、帰り道(下り)で選択すると良いですね。
急坂でしたが、足に自信のない私たち夫婦でも支障なく下りられました。
左側にある階段を下ってきました。
右の広い道が管理道です。
そこから見上げるとつり橋が!
展望台から見下ろしたつり橋が、今は頭上50メートルのところにあります。
帰りにピトンの小屋で、アイス(350円)を食べながら休憩させてもらいました。
ちょっと高級なお値段でしたが、イチゴがごろごろ乗っていて美味しかったです。他にもマンゴーやパフェなど数種類ありました。
ちなみに、こちらの自動販売機のドリンクは通常より20~30円程度高かったです。
この割高感がイヤな方は、水筒持参か、違う場所で飲み物を調達してから来た方が良さそうですね。
小屋の中にはQRコードがありましたので、ダウンロードしてから行くと良いかもしれません。
地図を持ち歩かなくても迷うことはないと思いますが、必要でしたら公式からご覧ください。
園内マップfa-external-link
まとめ
府民の森・ほしだ園地は大つり橋「星のブランコ」で有名な場所です。
ただ、他にも見どころがいっぱいで、退屈することなく1日中遊べます。
滅多にできないクライミングウォールを本格的に楽しむも良し、ハードな山歩きにチャレンジするも良し、絶景を見るだけでは終わらない充実の山岳公園だと思います。
山登りをしてみたいけど経験も少ないし、無理かな?と思うような初心者でも、体力レベルに応じてコースを選べるのが良いところ。実際、杖をついたお年寄りもたくさん見かけました。
今回はチャレンジできませんでしたが、まつかぜの路・こもれびの路などを経由し、磐船神社・きさいちカントリークラブを通って行くと、同じ「府民の森」のひとつであるくろんど園地に行くこともできます。
両方を網羅すると半日がかりになり、かなり大変そうですが興味のある方は行ってみてください。
私たちは3時間ほどの滞在で、ほしだ園地を充分堪能できました。
最初からひたすら歩くことになるので、普通の公園に遊びに行くよりは少しばかりの本気度が必要ですが、歩き疲れた分の満足度をお約束します。
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