暑い季節に良く合う、爽やかで元気の出る飲み物が飲みたくなりました。キンキンに冷えたビールも最高ですが、やっぱりあの味が作りたい。…と、近くの道の駅で赤しそを購入。袋にパンパンに入って120円でした。
今日のゆきみちは、このしそを使ってしそジュースを作ります。
簡単に作れるしそジュース
赤しそは、青しそと違って売っている時期が限られています。主に6月から8月初旬。これは何故なのか気になったので調べてみました。
年中売られている青しそも、旬は初夏なんだそうです。「大葉」とも呼ばれ、薬味や香味野菜として一年中食卓に上りますね。一方、赤しそは主に梅干しを漬けるのに使われるので、梅のシーズンを逃すと市場に出回らなくなってしまうのだとか。
紫蘇という漢字の由来は「食中毒になった人を、紫の葉で蘇らせたことによる」という説もあるほど、薬効成分が豊富な赤しそ。食欲がなくなりがちな時期、暑さと疲労に負けないために、酸っぱくてキリッと冷えたしそジュースを作ってみませんか?
赤しその他に必要なのは、砂糖とクエン酸だけです。
クエン酸はスーパーの製菓用品コーナーや薬局に売っていますが、お酢やレモン汁でも代用できます。砂糖の種類はどんなものでもお好みで。氷砂糖は純度が高いため、すっきりした甘みがつきます。はちみつを適量入れるとまた違う風味が味わえるようですので、次回は挑戦してみようと思います。
レシピ
材料はとてもシンプルです。
- 赤しそ(太い茎を除く) 200g
- 砂糖 400~500g
- クエン酸 20g
- 水 1リットル
これはストレートで飲むジュースではなく、水で薄めて飲むシロップのレシピです。割ったときに甘さが口に残らない程度の甘さになっています。甘すぎることはないと思いますので、糖分を控えめにするとしても最低400gくらいは砂糖を入れた方が保存に向くでしょう。
準備するものは材料の他に、蓋のできるビンかペットボトルなどの容器が必要です。酸と糖分で雑菌は繁殖しにくい環境になりますが、より良い状態で保管するためにも容器はアルコールか熱湯で消毒しておきましょう。
赤しそに太い茎が付いたままの場合は取り除きますが、葉っぱから伸びている細い部分はそのまま使います。上の写真の、つんつん飛び出しているところですね。200gって少ないかな?と思いましたが、こんな感じで超もりもりです。
これを良く洗ってごみやほこりを落とし、ざるに上げて水気を切っておきます。同時に鍋に分量の水を張り、沸騰させます。しそは、水から茹でるより熱湯で茹でた方が灰汁が出にくいようです。
沸いたら少しずつしそを入れていきます。一気に入れると全部がお湯に漬かりませんので、しそに火が通り、くたっとしてくるのを見計らって追加で入れていくと良いですよ。
最初は緑っぽい色がお湯に溶け出し、さらに煮ているうちにだんだん赤ワインのような深い色がお湯についていきます。そして反対に、しそからは色が抜けて緑の葉っぱになります。
色がついたら5分くらいで引き上げるレシピもありますが、しそのエキスを十分に抽出するためにここで蓋をして20~30分くらい弱火で煮出します。その後、しその葉を取り出して軽く絞り、器に出して冷ましておきましょう。
葉を取り出したら、ここに砂糖を加えます。今回は氷砂糖400gと、てんさい糖50gを合わせて450gにしてみました。砂糖は減らしてしまうと保存がきかなくなりますので、甘さを控えたシロップを作る場合は冷蔵庫に入れて早めにお楽しみください。
今回は氷砂糖を使ったので、溶けるのに少し時間がかかりました。火に掛けていると少し水かさが減ってきますが…
取り分けておいた葉が火傷しない程度に冷めていることを確認したら、手で絞りましょう(ビニール手袋をしています)。思い切りぎゅっと握るとかなり汁が取れます。ザルの上で木べらを使って絞り出す方法もありますが、それより簡単ですよ。
ここで強めの火加減にしておくと灰汁が出てくるので、これを取り除きます。ちなみに我が家には灰汁取り用のグッズがありません。おたまですくって捨てると、ジュースのところまですくってしまって勿体ないので、粉ふるいを使って灰汁を取りました。
細かい葉っぱが残っていたら、この時に一緒に漉しておきましょう。
灰汁を取ったら火を止めて、クエン酸を入れます。購入したクエン酸は10gが3袋入っていたので2袋使いました。
写真では判りにくいかもしれませんが、濃いワイン色だったジュースが真っ赤に変わってとても綺麗です。赤しその中のアントシアニン色素が酸と反応することでこの色になるそうです。
ここで使うクエン酸は、素材に純粋な酸味を与えるので、しその味そのものを楽しみたい場合、またすっきりとした後味と酸味がお好みの方におすすめできると思います。逆に、しそがそれほど得意でなかったり、酸っぱさ控えめのまろやかなジュースを作りたい場合はりんご酢100~150㏄(フルーティーな風味が、穀物酢や米酢よりジュースに合います)やレモン汁をお使いください。
消毒した容器に、まだシロップが熱いままの状態で(火傷に注意!)移すと雑菌が入りにくいです。冷めてから移す場合は容器をすぐに冷蔵庫に入れてください。常温で放置すると発酵して泡が出てくる場合があります。発酵しても飲用には差し支えないようですが、ペットボトルが爆発してしまうことがありますし、風味が変わってしまい、飲めるか傷んでいるかの判断が難しくなるので発酵させない方が無難です。
出来上がったシロップは冷蔵庫で1年くらいもつようです。とはいえ、少しずつ香りが失われていくので、早めに飲んだ方が美味しいと思います。
長期間保存するなら、製氷機で凍らせてジップロックに入れておき、欲しい時に炭酸などで溶かしながら飲むのもありですね。水か炭酸水で割るのがおすすめですが、お子さんには牛乳で割ることでヨーグルト風にして飲んでもらうと喜ばれます。ミルクプリンやゼリーに加工したり、サワー(焼酎割り)にするのもいいですね。ただ、我が家では加工する前にあっという間になくなってしまいますので、今度は多めに作ろうと思います(^^;)
残りの葉も再利用しよう
エキスを出し尽くして、ただの葉っぱになってしまった赤しその葉も、趣向を変えて違うメニューに使うことができますよ。
ゆかり
ふりかけの「ゆかり」を作ってみましょう。
- ジュースに使ったしその葉(全量)
- クエン酸5gくらい、またはお酢100㏄
- 塩 適宜
-
しその葉は、軸を取り除いてクエン酸かお酢を揉みこむ(お酢を使った時はそのまま数時間から一晩冷蔵庫で寝かせる)。
- 水分を絞ってザルに広げ、天日で1、2日干すか、500Wのレンジで30秒ずつ加熱してカラカラにする
- ザルの上から手で漉すようにして細かくする。フードプロセッサーやミルで細かくする場合は、やりすぎて粉末になってしまわないように加減する
- 塩を小さじ1くらいから、好みの量まで味を見つつ加える
これで完成です。やはりジュースを絞った後なので、市販のものより香りは薄くなってしまいますが、捨ててしまう部分を再利用したと思えばなかなか良い副産物になります。
佃煮
- ジュースに使ったしその葉(全量)
- 酒 50㏄
- 醤油 大さじ2
- みりん 大さじ2
- じゃこ 20g
- 白ごま 適量
- お好みで七味または一味、かつおぶし
※ 自家製かえしがありましたら、醤油とみりんを省いて、かえし60㏄と砂糖小さじ2で代用してください。万能調味料、かえしの作り方はこちらfa-hand-o-down
- ゆかりの時と同じように葉から軸を取り除き、粗く刻む
- 表記の調味料とじゃこを鍋に入れ、水200㏄を足し、しその葉と一緒に煮る
- 焦がさないよう弱火で加熱し水分を飛ばす
- 最後に白ごまを入れる。お好みでかつお節、七味、塩昆布などを加えても良い
これで、ごはんに良く合う佃煮ができます。加熱して更に香りが飛んでいるので「しそ感」はありません。作った感想としては、大根の葉を炊いた時に似ていると思いました。くせのない、食べやすい味です。
まとめ
初夏しか市場に出回らない貴重な赤しそ。
花粉症などのアレルギーに効くという研究もあり、抗酸化作用、ビタミンや鉄分、カルシウムなど栄養価が高いところが魅力的ですが、やっぱり飲んで美味しくないと、わざわざ作りたくなりませんよね。
このジュース、まだ味わったことがない方に分かりやすく伝えるとしたら、アセロラジュースのように酸っぱ甘い味。よくある「飲むお酢」などは、やはり多少はツンとした匂いがあり好き嫌いが分かれると思いますけれど、しそジュースは健康飲料としてはとても飲みやすいと思います。
赤しそは生命力が強く、一度植えれば翌年も勝手に生えてくるので、増えてしまって困るなんて話も聞きますし、農家の方が分けてくれることもあるそうです。ゆきみちには近所の農家さんに知り合いがいないのでタダでもらうことはできません。でも、道の駅や野菜の特売をしているお店などに出向けば大変お手頃価格で手に入ります。
しそジュースは市販品を買えば1000~2000円とお高いですが、自分で作れば簡単で安上がり!年に一度の楽しみとして、今年もジュースを仕込むゆきみちなのでした。