車のドアを断熱にしたいと思っても、パネルを外したり、元に戻したりすることを考えると「自分で出来るのかな?」と不安になると思います。
私たち夫婦も、作業するまでは不安でした。
実際に作業してみると、初見ではわからないことも多く、ネットを調べても詳しい部分まで解説している記事や動画は見つけられずに作業を何度か中断する羽目に…。
それでも試行錯誤の結果、無事に断熱処理を終えることができました。
この記事では、LA350Sミライースのドアパネルに自分で断熱処理をしてみたい方に向けて、私たちが実際につまずいた注意点などを画像付きでわかりやすく解説していきます。
※方法がわかっても、実際に作業するのは大変だと思います。無理だと感じたら止めておくことをおすすめします。作業中に発生した不具合に関しての責任は負いかねますので、自己責任でお願いします。
動画で作業手順を確認したい方は、YouTubeでご覧になれます。
ドアパネルを断熱処理する手順
ドアパネル断熱に必要なものは?
セリアの両面アルミ保温シート
今回、断熱素材として使用したのが、セリアで売られていたサイズ70×180㎝の両面にアルミ加工がされている保温シートです。
前後4つのドアパネルで2本使用しました。
【防カビタイプ】シリコーンシーラントとコーキングガン
保温シートとドアパネルを接着するために使用したのは、シリコーンシーラント(コーキング剤)の防カビタイプです。
ホームセンターに行けば簡単に手に入ります。
ノーマルタイプのものなら、1本200円台で販売されていたのですが、万が一を考えて防カビタイプのものを選びました。
ちなみに防カビタイプのものは、どのホームセンターを見ても1本600円前後でした。
シリコーンシーラントを塗りやすくするためには、コーキングガンも必要です。
値段はピンキリで、安価なものだと200円程度で売られていました。ただ、ちょっと重くて使いづらそうだったので、上写真の軽量タイプ(購入時408円)にしました。
内張りはがし
内張りはがしは、ドアパネルをこじ開ける際に必要になります。
ホームセンターやカー用品店に行けば販売されています。
金属製の物もありますが、傷をつける可能性が高いので、上写真のような樹脂製を選ぶことをおすすめします。
カークリップはずし
カークリップはずしは、ドアパネルの固定に使われているクリップというパーツを外すために使用します。
はじめは、カークリップはずしを用意せずに作業していました。しかし、クリップが外れずに作業が中断してしまい、すぐに購入しました。
ほとんどのクリップは、内張りはがしで代用できました。ただ、カークリップはずしでなければ外せない、小さなクリップが一部ありました。
なので、LA350Sのドアパネルを外す場合は、カークリップはずしを用意することをおすすめします。
アルコールスプレーとウエス
保温シートを貼りつける所をキレイにするために、アルコールスプレーとウエスを使用しました。
ウエスが無くても、汚れがふき取れればペーパーでも大丈夫です。
100円ショップで販売されているアルコールスプレーを使用しましたが、問題なくコーキング剤を接着できました。
その他に用意したもの
ドアパネルを外すためには、プラスドライバーが必要です。
今回使用したものは、ホームセンターで販売されていたマグネット加工された、規格がNo.2のタイプです。
100円ショップのものでも、まったく問題ありません。ただ、マグネット加工されたものなら、ネジがくっついて落ちないため、とても便利です。
値段も400円程度だったので、今後のためにも1本持っておくのも良いですね。
※プラスドライバーの規格No.2は、ネジの呼び径が、3~5mm、軸の長さが、100mmです。
私たちはサイズ違いのハサミを2本用意しましたが、もちろん1本だけでも大丈夫です。
手の汚れやケガのことを考えると、軍手を使用した方が安全でしょう。
【LA350Sミライース】ドアパネルの外し方
では、実際にLA350Sミライースのドアパネルを外す方法を解説していきます。
助手席のドアパネルを例にしますが、外し方はほとんど同じです。
まず初めは、サイドミラーの裏側にある三角のカバーを、内張りはがしを使って外します。
初めてこじ開ける際は、壊れるんじゃないか…と思うかもしれませんが、きちんと力を入れないと外れません。
内張りはがしは、隙間に差し込んでてこの原理を使えば楽です。
三角のカバーを外すと大抵の場合、上写真のようにクリップがドア側に残った状態になってしまうと思います。
クリップがドア側に残ったままでは、あとで三角のカバーを元に戻すことができません。なので、カークリップはずしを使って、残ってしまったクリップは外しておきましょう。
三角のカバーに使用されているクリップは、とても小さいため、カークリップはずしではうまく外れない可能性があります。
私たちも、何度かトライしてようやく外すことができました。しかし、クリップが破損してしまう可能性も十分考えられます。
ネットやカー用品店で同じものがないか確認してみましたが、私たちには見つけることができませんでした。
もしも破損してしまった場合は、ディーラーに問い合わせてみるのが良いかもしれません。
ここからはすべてのドアで共通しています。
ドアハンドルの内側にネジがあるので、プラスドライバーを使って外しましょう。
このネジは、元に戻す時まで使用しないので、なくさないように注意してください。
後部座席のドアだけは、ポケットの部分にもう1つネジがあるので、こちらも外しておきましょう。
内張りはがしを使って、アームレストを外します。
手前と奥、それぞれがツメで固定されているので、内張りはがしを差し込んでこじ開けましょう。
アームレストを外すと、裏側にカプラーが付いています。
助手席部分の場合は、カプラーとアームレストをそれぞれ握り、お互いを外側に向けて引っぱれば外すことができます。
個体差があるかもしれませんが、私たちのミライースの場合、助手席のカプラーは簡単に外れましたが、後部座席のものはとても固かったです。
カプラー外しという工具を使えば、簡単に外せるかもしれませんが、私たちは使用しませんでした。
もしも、後部座席のカプラーが外せない…という場合でも、多少強引にはなりますが、断熱処理をする方法はあります。
※その方法は【アルミシートの貼り方】の項目で解説しています。
運転席のカプラーは、3つのネジで固定されているだけなので、プラスドライバーを使って簡単に外すことができます。
アームレストからカプラーを外したら、内側にネジが2本見えるので、プラスドライバーを使ってこのネジを外しましょう。
最後に、パネルを固定しているクリップを外せば完了です。
スピーカーの部分に手を引っかけて力をかけて、順番にクリップを外していきます。
クリップがすべて外れたら、パネルを上方向に持ち上げれば簡単に外れます。
「固くて無理…」という場合は、内張りはがしをクリップの側に差し込んで、1つずつ外していくのも有効です。
その場合は、クリップがドア側に残ってしまうことが多いと思います。なので、カークリップはずしを使って、クリップを外しましょう。
アルミシートの貼り方
外したドアパネルの内側に、アルミ保温シートをできるだけ隙間なく貼っていきます。
貼りつける前には必ず、アルコールスプレーなどでキレイにしておきましょう。
スピーカーやドアハンドル、クリップを差し込む部分などは避けて貼りつけていきましょう。
大きなままのシートを貼りつけるのが難しい場合は、小分けに貼っていっても構いません。その場合は、隙間ができないように、重ねて貼っていってください。
細かい部分にコーキング剤を塗る時は、量を多めにするとくっつきやすいです。
とは言え、4つのドアパネルにシリコーンシーラントを丸々2本使い切りました。うまく調整しないと、3本必要になると思います。
後部座席のカプラーが固くて外せない場合、2人作業が可能なら上画像のように接続したまま断熱処理が可能です。
1人がパネルを持ち、もう1人がアルミシートを貼っていきます。
後部座席のカプラーに繋がっているコードは、かなり短いので、断線に注意して作業しましょう。無理に引っ張ったり、パネルの広げすぎに気をつけてください。
※あくまでこれは非推奨の裏技であって、カプラーを外して作業することをおすすめします。
【LA350Sミライース】ドアパネルの戻し方
パネルを外した際に、ドア側にクリップが残っていた場合は、カークリップはずしを使ってすべて外してください。
外したクリップは、パネル側に取りつけておきます。
クリップをすべて取り付けたら、パネルをドアに引っかけます。
この時点で、貼りつけたアルミシートがはみ出していないかを確認しておきます。
カプラーを取り付けやすくするために、アームレストの穴から外に出しておきます。
パネルをはめる前に、クリップと穴の位置が合っているか確認しましょう。
位置合わせができたら、パネルを軽く叩いてクリップを留めていきます。
外していた2本のネジを、プラスドライバーを使って固定し直します。
内側にネジを落とさないように気をつけましょう。
出しておいたカプラーを、アームレストに取りつけます。
カプラーを戻したら、アームレストをパネルに取りつけましょう。
押しつけるだけで、簡単にツメがはまります。
ドアハンドルの内側にあるネジ穴に外しておいたネジを取りつけます。
後部座席のドアパネルの場合は、ポケットのネジも留めれば作業終了です。
三角のカバーにクリップを取りつけて、元の位置にはめ込み、軽く叩けばはまります。
運転席・助手席側のパネルもこれで作業終了です。
【LA350Sミライース】ハッチバックドアの断熱方法も解説
私たちは、ハッチバックドアへの断熱対策も行いました。
ハッチバックに設置されているフタは、座席のドアパネルと違って、かなり簡単に外すことができます。
ハッチバックドアのフタを外すには、外側から見えているクリップをすべて外すだけです。
このクリップは可動式になっていて、丸い中心部分をマイナスドライバーなどで、手前に引っぱり出せば外れます。
中にはもの凄く固いクリップもあったので、ケガをしないように注意してください。
ハッチバックの中を見ると、たくさんの小部屋が集まったような構造になっていました。
フタの裏にアルミシートを貼りつけるのも良いかと思いましたが、今回はプチプチとアルミテープで断熱処理を行ってみました。
プチプチとアルミテープは、100円ショップやホームセンターで手に入ります。
小部屋ごとにプチプチを詰めていきます。
穴が開いている場所には、アルミテープを貼ってふさぎました。
最後にフタの裏にもアルミテープでプチプチを貼りつけます。
ドアパネルの断熱の際に、アルミ保温シートが余っていれば、それを貼っても良いですね。
フタを戻して、クリップを穴に差し込み、中央部分を押し込めば固定されます。
クリップをすべて留めて完成です。
まとめ:LA350Sミライースの断熱処理を行ってみて
LA350Sミライースのドアパネルの付け外しは、思っていたよりも苦戦しました。
実践前に下調べした感じでは、簡単なのかな?と誤解を抱くような情報が目立ったので、これは記事にしようと思い立ちました。
おそらく初めてドアパネルを外す方は、私たちと同じように苦戦すると思います。
それでも、ご自分の力でチャレンジされたい方に、この記事が少しでも参考になれば幸いです。
YouTubeに動画版もUPしていますので、あわせてご覧いただければ、より細かい部分まで把握できると思います。
ドアパネルの断熱を行ってみて、ドア側からの冷気は減少した印象です。
床や天井の断熱処理も一緒に行えば、さらに高い効果を発揮すると思います。
そちらの処理を行ったら、また記事や動画にする予定です。
床下や天井の断熱処理の工程は、YouTube動画でもご覧いただけますので、そちらも合わせて参考になさってください。